年月〜〜〜

今朝

月日は百代の過客にして…行かふ年も又旅人也

の文章が、頭に浮かんだ

松尾芭蕉奥の細道の冒頭だった?と

中学校の国語の授業で習った記憶があるが

 

いつものように…我が家から勤務先への車での移動中

必ずと言って良いほど…絶対に信号機で止まる場所がある

そこは、大きな橋をよこぎると小学校があり

その先にその交差点があるのだ

両側に民家が立ち並び

私が…まだ主人が健在だった頃から

朝の渋滞を避けて…この10年位だろうか

その通りを…毎日通っている

通勤コースだ

 

その交差点の右側にクリーニング店があり

そのお隣の家の子供さん達を

毎日のように…見ていた!いや…見せて頂いていた

3歳くらいの頭を丸坊主にした可愛い男の子だった

いつも、母親に抱っこされて

お姉ちゃんとお兄ちゃんが小学校に出かける時

見送っていたのだ

機嫌の良い日も悪い日もあり

私達も、毎日のようにそれを主人と眺めるのが日課

なっていた

 

そのうちに…抱っこされていた幼い男の子は一年生になった

黄色の帽子と大きなランドセルがまぶしかった

まるで…私達は親戚のおじさん、おばさんになった気分だった

思わず心の中で「頑張ってね」と願う日々であった

 

朝の車の停車、1、2分の時間なのだが

その男のお隣のクリーニング店は…同じ苗字で

多分だが…その子のおばあちゃんが営んでいるお店と

思われた

小学生、中学生となった男の子の兄弟達が

朝、必ずと行って良い程

毎日、お隣のおばあちゃんがいるクリーニング店の

店先で、挨拶をしてそれから学校に出かける

何とも、微笑ましい光景を

この‥10年位の間

たくさん…見せてくれたのだ

本当に…3人のお子さん達は成長したのだ…

 

そして…今朝は久しぶりに

多分、一番下の丸坊主の男の子だと思った

交差点から、犬の散歩でかけて来て

姿を目で追うと、その家に入っていった

ずいぶんと大きくなって…小学校の高学年か?

もしくは、中学生になったのかも…と思えた

 

ずいぶん…年月も月日も経ったのだ

今朝は、早起きをして主人のお墓に長男とお参りに行って来た

寒くて、凍えるような2月3日から

今日で…半年が経った

早かった様な、遅かった様な

 

今日…あの男の子を見かけたのは偶然であろう

ただ、毎日のように主人と朝のほんの一瞬

遭遇していた瞬間、時間、光景がとても懐かしく愛おしく感じられた

合掌

「月日は百代の過客にして行かふ年も又旅人なり…」