自分らしく…大学病院の力  2

翌日…月一で通っていた脳神経外科の院長先生からの

紹介状を持って、主人は初めて行くS総合病院へ

私も、一緒に行きたかったのだが

私達は、義父母がやっていた会社を引き継いで

私達の代に変わり33年が経って

事務所は主人と二人で切り盛りをしていた

3人の社員さんと

総勢5人の…小さな小さな会社だったが

いろんなお客様に愛され

それなりに…忙しく繁盛していた

主人が、事務所に帰って来るのを待つ間

時間が経つのが…遅くて遅くて

心配のあまり…私は吐きそうになった

それでも、お客さんからの問い合わせ、企業からの

主人への電話などなど

「今、社長は出かけていて不在です。」…と

答えるのが…精一杯の私でした

 

なかなか…帰って来ない

 

以前から、主人は「帰るコール」を

必ず入れてくれる人だった。

いろんな宴会や、勉強会、講習会が終わると

時刻に関係なく「今から帰るね、お土産何がいい?」…と

私が男だったら、そこまでできるかな?と

考えさせられるくらい本当に優しい主人だった

忙しいのに…

県の理事長、ボランタリーチェーン、東京や福岡の団体など

精力的に仕事も、仕事に関係する事も

社員さんに、「少しでも給料を高くあげたい…が

主人の口癖だった

そして…昨年私達の小さな会社は創業から55年が経ち

世間では‥老舗と言われるようになった!

忙しい毎日だったが

来て頂くお客様と世間話しをしたり

社員さんの家族の話し、お子様の成長の様子など

充実していて…家に帰れば

社長の顔から…どこにでもいるお酒の好きな62才の夫の顔だった

よく、友達から言われていた

「○○さん達、考えるといつも一緒よね?」

家でも仕事でも

他人から言われて…そうだなぁ〜と思った

主人と結婚して…37年が経っていた

一回も、夫婦ケンカをした事が無かった!とは言わないが

すぐに、終わってしまう小さな小さなケンカで

四六時中…仲良しだった

 

そんな事が頭の中をぐるぐると…

     ( 昨年3月 庭のミモザが開花の頃)

 

 

そこで…私の携帯電話がなった

いつもの優しいしっかりとした主人の声で

「遅くなったけど、今から帰るね…」と

時計の針は…午後2時を過ぎていた

 

「明日、奥さんと家族で病院に来て下さい…と言われた…」と

電話から聞こえて来る、主人の言葉だった

 

不安…不安

主人が酷い病気でなければ⁉︎…と

何と表現すれば良いのか?

嫌な重苦しい感情に私の心が支配されていくような

 

それから…私と主人の闘いが幕を開けた!